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【2026年4月開始】住所等変更登記の義務化とは?相続した空き家を放置するリスクと今すぐできる対策

不動産の法律・制度

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【2026年4月開始】住所等変更登記の義務化とは?相続した空き家を放置するリスクと今すぐできる対策

2026年7月更新

2026年4月開始の住所等変更登記義務化と相続空き家のイメージ

2024年4月にスタートした「相続登記の義務化」に続き、2026年4月1日からは不動産の名義人に対して「住所・氏名の変更登記」も義務化されます。これまで登記簿の住所変更は任意でしたが、今後は引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった場合、原則2年以内に登記をしなければ過料の対象になります。特に注意したいのが、実家を相続したまま名義変更をしていない方や、遠方の空き家を所有している方です。「相続登記は済ませたはずなのに、自分は関係あるの?」と感じる方も多いと思いますが、実は相続登記と住所変更登記は別の手続きであり、両方を確認しておく必要があります。本記事では制度の中身をわかりやすく整理したうえで、放置した場合に起こりうるトラブルと、今から取れる具体的な対策を解説します。

1. 相続登記の義務化からの流れをおさらい

2024年4月1日、不動産登記法の改正によって「相続登記の義務化」がスタートしました。これは、不動産を相続した人が、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならないというルールです。正当な理由なく期限内に登記をしなかった場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。

この改正の背景にあるのは、全国的に広がる「所有者不明土地」の問題です。相続登記が義務ではなかった時代、名義変更をせずに放置された不動産が数多く存在し、いざ売却や活用をしようとしても相続人が確定できず身動きが取れないケースが社会問題化していました。国は相続登記の義務化に加えて、住所や氏名の変更登記についても義務化することで、登記簿の情報を常に最新の状態に保ち、不動産の流通を促進しようとしています。

すでに相続登記を済ませている方にとっては直接関係のない話に思えるかもしれませんが、次章で解説する「住所等変更登記の義務化」は、相続登記を終えた不動産の名義人にも等しく関わってくる制度です。特に、相続後に登記名義だけ変更して、その後に自分自身が転居した場合などは対象になりますので注意が必要です。

なお、相続人の間で遺産分割協議がまとまらず、3年以内に正式な相続登記ができないケースもあります。その場合の救済措置として用意されているのが「相続人申告登記」です。これは、自分が相続人の一人であることを法務局に申し出るだけの簡易な手続きで、正式な相続登記ではありませんが、これを行っておけば期限内に義務を果たしたものとみなされ、過料の対象から外れます。ただし、あくまで暫定的な手続きであり、将来的には正式な相続登記が必要になる点は変わりません。「実家の名義変更が複雑で進んでいない」という方は、まずこの相続人申告登記の活用を検討してみるとよいでしょう。

このように、国は相続登記・住所変更登記のいずれについても「義務化はするが、手続きの負担はできる限り軽くする」という方向性で制度を整備してきています。とはいえ、こうした緩和措置の存在を知らないまま放置してしまい、結果的に過料の対象になってしまう方も一定数出てくると予想されます。次章では、2026年4月から新たに始まる住所等変更登記の義務化について、より具体的に見ていきます。

2. 2026年4月1日開始「住所等変更登記の義務化」とは

2026年4月1日から施行されるのが、不動産の登記名義人を対象にした「住所等変更登記の義務化」です。これまでは、引っ越しや結婚による姓の変更があっても、登記簿上の住所や氏名を変更するかどうかは所有者の任意とされてきました。しかし今後は、変更があった日から原則2年以内に変更登記を申請することが法律上の義務となります。

対象になる人・起算日

対象となるのは、不動産の登記名義人本人に住所・氏名(法人の場合は名称・本店所在地)の変更があった場合です。起算日は、住民票や戸籍謄本、法人登記簿に記載された変更日(転居日、婚姻日、会社の本店移転日など)となります。すでに施行日より前に変更があり、まだ登記していない場合も対象に含まれる点には注意が必要です。

罰則

正当な理由なく2年以内に変更登記を行わなかった場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。「正当な理由」の具体的な範囲については、今後の法務省令等で明確化される見通しですが、単に手続きが面倒だった、忙しかったといった理由は認められない可能性が高いと考えられます。過料は刑事罰である罰金とは異なる行政上の金銭負担ですが、通知が届いてから納付までの手間や心理的な負担は決して小さくありません。「知らなかった」では済まされない制度である点を踏まえ、早めに現状を確認しておくことが大切です。

スマート変更登記制度

今回の改正とあわせて始まるのが「スマート変更登記」という新しい仕組みです。所有者があらかじめ法務局に生年月日などの検索用情報を届け出ておくことで、法務局が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と定期的に照合し、住所等に変更があった場合には登記官が職権で変更登記を行ってくれる制度です。これを利用すれば、所有者自身が都度申請しなくても義務を果たしたことになり、事務負担の軽減につながります。

制度のポイント整理

  • 施行日:2026年4月1日
  • 義務の内容:住所・氏名(名称・本店)の変更登記
  • 期限:変更があった日から2年以内
  • 罰則:正当な理由なく怠ると5万円以下の過料
  • 負担軽減策:スマート変更登記制度(任意の事前届出制)

3. なぜ今この制度が導入されるのか

住所等変更登記の義務化の狙いは、相続登記の義務化と同じく「所有者不明土地・空き家問題」の解消にあります。登記簿上の住所が古いままだと、行政や隣地所有者、あるいは不動産会社が所有者に連絡を取ろうとしても、実際の住所にたどり着けないという事態が起こります。これは老朽化した空き家の管理や、公共事業のための用地買収、災害時の対応などにも支障をきたす原因になってきました。

また、あわせて2026年2月からは「所有不動産記録証明制度」も運用が始まっています。これは、亡くなった方や自分自身の名義になっている不動産を、全国の法務局から一括で検索・証明してもらえる制度です。相続の際に「把握していなかった実家の隣の畑」や「親名義のまま放置されていた土地」が見つかるケースもあり、住所変更登記の義務化とあわせて活用することで、不動産の管理漏れを防ぐことができます。

国土交通省の調査でも、全国の空き家数は増加傾向が続いており、そのうち活用予定のない「その他空き家」の割合が高いことが繰り返し指摘されています。空き家が増える要因の一つが、まさに「所有者が誰なのか、どこにいるのかがすぐに分からない」という状態です。近隣住民が倒壊の危険や庭木の越境といった問題に気づいても、行政や不動産会社が所有者に連絡を取れなければ対応が進みません。住所等変更登記の義務化は、こうした「所有者にたどり着けない不動産」を減らし、空き家の適正管理や有効活用を後押しするための制度改正の一環と位置づけられています。

4. 相続した空き家・遠方の実家オーナーが特に注意すべき理由

今回の制度変更で特に影響を受けやすいのが、実家を相続したものの遠方に住んでいる方や、相続後に自身が転居・結婚などをしている方です。理由は大きく3つあります。

理由1:相続物件は登記情報が古いまま止まりやすい

相続登記自体は済ませていても、その後に相続人本人が引っ越しや結婚をしていれば、登記簿上の住所・氏名は当時のままになっているケースが少なくありません。特に実家を相続してからそのまま「とりあえず所有」の状態にしている物件では、登記情報の更新が忘れられがちです。

理由2:売却時の決済段階でトラブルになりやすい

登記簿上の住所と現在の住所が一致していないと、いざ売却しようとした際、契約自体は結べても、決済(所有権移転登記)の直前で「前提として住所変更登記が必要」という補正が入り、決済日が延期になるケースが実務上増えています。売主が高齢の場合は、必要な戸籍謄本や住民票(除票を含む)の収集に時間がかかり、日程調整がさらに難しくなる傾向があります。

理由3:空き家は「管理不全空家等」に指定されるリスクがある

空き家対策特別措置法の改正により、適切に管理されていない空き家は「管理不全空家等」に指定される場合があり、指定を受けると固定資産税の住宅用地特例(土地の税負担を軽減する特例)が適用されなくなり、税負担が増える可能性があります。登記名義人の住所が最新でなければ、行政からの指導や助言が届かず、気づかないうちに指定を受けてしまうリスクも否定できません。

理由4:相続人本人が複数の不動産を把握しきれていない

実家だけでなく、親が生前に所有していた山林や田畑、駐車場用地などが別途あるケースも珍しくありません。相続時にすべての不動産を洗い出せていないと、住所変更登記の対象となる不動産が漏れてしまい、本人が気づかないうちに義務違反の状態になってしまう可能性があります。先述の「所有不動産記録証明制度」を活用し、名義のある不動産を一度すべて確認しておくことが、こうした見落としを防ぐ確実な方法です。

⚠ こんな方は特に要チェック

  • 実家を相続したが、名義変更後に自分が引っ越し・結婚をしている
  • 相続した実家や土地が遠方にあり、何年も訪れていない
  • 両親や祖父母の代からの土地で、登記簿の住所がかなり古い
  • 「そのうち売ろう」と思いながら数年が経過している

5. 登記を放置すると起こりうる具体的なトラブル

住所等変更登記を放置した場合に想定される影響を整理すると、次のようになります。

放置期間・状況想定される影響
変更から2年超正当な理由がない場合、5万円以下の過料の対象になる可能性
売却を検討したとき決済直前で住所変更登記の補正が必要になり、日程が延期になりやすい
相続人が高齢・遠方戸籍謄本・住民票除票の収集に時間がかかり、さらに手続きが遅延
空き家を放置管理不全空家等に指定され、固定資産税の特例が外れ税負担が増える可能性
次の代への相続発生相続登記・住所変更登記の双方が未了となり、手続きがより複雑化

特に見落とされがちなのが「売却時のトラブル」です。買主が見つかり、契約まで進んだにもかかわらず、決済直前になって司法書士から「登記簿の住所と現住所の不一致」を指摘され、追加の書類収集や登記手続きが必要になることで、決済日が数週間から1か月以上ずれ込むケースも実務上報告されています。買主側にとっても不安要素となり、契約解除や値引き交渉の材料にされてしまう可能性もゼロではありません。

例えば、相続した実家を数年間空き家のまま所有し、ようやく売却を決めたケースを考えてみましょう。買主が見つかり売買契約を締結したものの、決済直前の司法書士による事前確認で、登記簿上の住所が相続時のままで、その後の転居が反映されていないことが判明したとします。この場合、決済日までに住民票の除票や戸籍の附票などを追加で取り寄せ、変更登記を先に済ませる必要が生じます。売主が高齢で本人による手続きが難しい場合や、必要書類の保管場所が分からない場合には、想定より手続きが長引き、買主との調整に時間を取られてしまうことも少なくありません。こうした事態を避けるためにも、売却を具体的に検討し始める前の段階で、登記簿の内容を確認しておくことが望ましいといえます。

6. 「持ち続ける」か「売る」かを考えるタイミングとしての2026年

住所等変更登記の義務化は、裏を返せば「今、自分名義の不動産をどう扱うか」を見直す良いきっかけとも言えます。特に相続した実家や空き家について、次のような状況であれば、この機会に方向性を決めておくことをおすすめします。

  • 誰も住む予定がなく、今後も活用の見込みが立たない
  • 管理(清掃・草刈り・修繕)の負担が大きくなってきた
  • 固定資産税や火災保険料などの維持費だけがかかっている
  • 将来的に自分の子どもや親族に、同じ手続きの負担を引き継がせたくない

住所変更登記を済ませてそのまま所有を続ける選択肢ももちろんありますが、管理の負担や将来の相続トラブルを避けたい場合は、売却によって不動産を「今の価値」に変えておくという判断も有力です。特に空き家は放置期間が長くなるほど老朽化が進み、資産価値が下がっていく傾向があるため、動くなら早いほうが有利になりやすいという特徴があります。

「持ち続ける」場合と「売却する」場合を比べると、それぞれにメリット・デメリットがあります。持ち続ければ、将来的な地価上昇や、子や孫の代での活用(賃貸・建て替え・売却)という選択肢を残すことができますが、その間の固定資産税や維持管理費、そして今回のような登記手続きの負担は継続して発生します。一方で売却を選べば、まとまった資金を得られるとともに、以後の管理・登記の手間から解放されますが、将来の地価動向によっては手放したことを惜しむ可能性もゼロではありません。どちらが正解ということではなく、ご自身やご家族の状況、物件の立地や状態を踏まえて判断することが大切です。

判断に迷う場合は、「今売ったらいくらになるのか」という具体的な金額を把握したうえで検討するのが現実的です。想定よりも高く売れることが分かれば売却に前向きになれるかもしれませんし、逆に想定より低ければ、当面は所有を続けて活用方法を探るという判断にもつながります。いずれにしても、まずは現状の価値を数字で把握することが、次の一歩を決める材料になります。

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7. 今すぐできる3つの対策

対策1:自分名義の不動産を洗い出す

まずは自分や親名義の不動産が、登記簿上どのような住所・氏名で登録されているかを確認しましょう。2026年2月から始まった「所有不動産記録証明制度」を使えば、全国の法務局にある不動産を一括で検索・証明してもらうことができます。相続の際に把握していなかった不動産が見つかることもあるため、実家を相続した方は一度確認しておくと安心です。あわせて、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、現在の住所・氏名と登記簿上の記載が一致しているかを一件ずつ確認しておくと、対応の優先順位をつけやすくなります。

対策2:登記の状態を司法書士に確認してもらう

登記簿上の住所と現在の住所が一致しているか、相続登記が完了しているかなど、専門的な確認は司法書士に相談するのが確実です。スマート変更登記制度の利用を希望する場合の手続きについても、あわせて相談しておくと今後の負担を減らせます。

対策3:売却を検討するなら早めに査定を取る

「そのうち考えよう」と先送りにしているうちに、空き家の老朽化や登記手続きの複雑化が進んでしまうケースは少なくありません。売却するかどうか迷っている段階でも、まずは査定額を知っておくことで、住所変更登記や相続登記など必要な手続きの優先順位を判断しやすくなります。査定は無料で受けられるものがほとんどですので、判断材料として早めに取得しておくことをおすすめします。

8. よくある質問

Q.すでに相続登記は済ませています。住所変更登記も必要ですか?

相続登記を済ませた後に、ご自身の住所や氏名(結婚による姓の変更など)に変更があった場合は、住所等変更登記の対象になります。相続登記の完了と住所変更登記の義務は別のものとして扱われますので、両方の状況を確認しておくことをおすすめします。

Q.施行日より前に住所が変わった場合はどうなりますか?

2026年4月1日より前に住所や氏名が変わっていて、まだ変更登記をしていない場合も義務化の対象に含まれます。過去の変更分について、どのくらいの期間で登記すればよいかは経過措置が設けられる見込みですので、早めに司法書士等へ確認することをおすすめします。

Q.スマート変更登記を利用すれば手続きは一切不要になりますか?

スマート変更登記制度を利用するには、事前に法務局へ生年月日などの検索用情報を届け出ておく必要があります。届け出をしておけば、その後の住所変更時に自分で申請しなくても、法務局が住基ネットとの照合をもとに職権で登記を行ってくれる仕組みです。届け出自体は任意ですが、利用しておくと将来の手続き負担を大きく減らせます。

Q.空き家を売るかどうか迷っています。査定だけ受けることはできますか?

はい、査定のみのご依頼でも問題ありません。売却するかどうかを決める前の判断材料として、まずは物件の想定価格を確認したいというご相談も多くいただいています。あわせて登記や相続に関するご不明点についてもご案内可能です。

Q.親が所有していた不動産をすべて把握できているか不安です。どうすればいいですか?

2026年2月から始まった「所有不動産記録証明制度」を利用すれば、亡くなった方の名義になっている不動産を全国の法務局から一括で検索・証明してもらうことができます。相続手続きの際にあわせて確認しておくと、把握していなかった土地や建物が見つかった場合にも早めに対応でき、後々の登記漏れを防ぐことにつながります。

まとめ

2026年4月1日から始まる住所等変更登記の義務化は、相続登記の義務化とあわせて、不動産の登記情報を常に最新の状態に保つための制度です。特に実家を相続した方や遠方の空き家をお持ちの方は、登記簿上の住所が古いまま放置されているケースが多く、放置すると過料の対象になるだけでなく、いざ売却しようとした際の決済トラブルの原因にもなりかねません。

  • 2026年4月1日から住所・氏名の変更登記が義務化される
  • 期限は変更から2年以内、違反すると5万円以下の過料の可能性がある
  • 相続した空き家・遠方の実家は特に登記情報が古いまま止まりやすい
  • 売却時の決済トラブルを避けるためにも、早めの現状確認がおすすめ

この機会に、まずはご自身やご家族名義の不動産の登記状況を確認し、「持ち続ける」か「売却する」かの方向性を検討してみてはいかがでしょうか。登記の手続きは司法書士等の専門家に相談しつつ、不動産の今の価値については私たちのような地域の不動産会社に気軽にご相談いただくのがおすすめです。売却をご検討の場合は無料査定を、住み替え先をお探しの場合は物件検索ページを、ぜひあわせてご活用ください。